金融庁が老後2000万円の撤回へ
金融庁の金融審議会は9月25日の総会において、「95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の蓄えが必要」と試算して批判を浴びた老後資金報告書の撤回を決定しました。
撤回の理由については、「報告書が世間に著しい誤解や不安を与えた」から。
著しい誤解を与えたかどうかはわかりませんが、報告書の概要では、男性65歳以上、女性60歳以上の夫婦だけの無職世帯は平均で毎月、公的年金を中心とする収入が支出を5万円を下回る赤字になると試算しています。
このケースでの夫婦があと30年生きるとすると、約2000万円が必要である、となっています。
なるほど、5万円×12ヶ月×30年=1800万円ですからね!
老後は2000万円で足りない!?
さて、撤回理由の「著しい誤解」や「不安」ですが、皆さんはどのようにお感じになりましたか?
たしかに 2000万円近いお金が老後までに必要だ、と言われると不安ですが、「ん?2000万円で足りるのかな?」となりませんでしたか?
毎月5万円の赤字とありますが、
を考えると、とても不安な数字です。
退職金をアテにしたいところですが、20年を超える低金利で退職金も減り続けていますし、退職金制度が廃止されたり途中での転職があったりすれば希望は持てません。。。
お勤めの方は退職金の概算額もチェックしておきましょう。
老後のお金はいくら必要なのか?
老後の必要額は各家庭によって違いますから、概算でもいいので、それぞれ目安を算出してみる必要があります。
まず、老後夫婦二人(一人の場合もありますが)で、毎月どのくらい生活費が必要か考えてみましょう。
わからない場合は、現在の生活費の7割を目安にしてもらっても結構です。
次に「ねんきん定期便」を参考に、年金額をチェックしてみましょう。
日本年金機構で、ねんきん定期便の見方を紹介しています。
年金額を12で割って、先ほど見積もった毎月の生活費にいくら不足するか計算してみましょう。
次に老後の期間を考えてみます。
65歳から老後期間に入り、95歳まで生きるとすると30年、100歳なら35年となりますね。
それでは、計算してみましょう。
例えば、毎月の赤字が10万円、老後期間が35年なら
10万円×12ヶ月×35年=4200万円となります。
いやいや、自分は健康だし75歳まではバリバリ働くぞ!という方は老後は75歳からスタートします。100歳まで生きるとすると老後期間は25年に短縮します。
10万円×12ヶ月×25年=3000万円となります。
将来のインフレや増税、臨時費用などを考えると余裕を持って計算しておいた方がいいですね。
老後資金の作り方
老後資金の作り方は2本立てで考えたほうがいいでしょう。
になります。
現役時代からの資産作りは次回にお話することにして、シニア世代の働き方について考えてみましょう。
あと数年もすれば、ほとんどの人が70歳以降も働くこと(働くことを希望する)になると思っています。
国も企業の雇用延長を勧めていますが、これに胡座をかいていてもいられません。
日本は人口減少という大きな問題がありますが、後継者不足で会社自体がなくなってしまう危険性があります。
さらに、2020年度からの小学生を始めとして、順次、中学生、高校生とプログラミングが必修科目となっていきます。
つまり、ITに詳しい人達が10年もしないうちに会社にどんどん入ってくるわけです。
自分が会社にとっていつまで必要な人間とされるかどうか、必要とされるためには今からどう準備すればいいのか、考えることが大事になります。
60代以降の転職などは若い時と違ってかなり大変です。
別の面からも考えてみましょう。
60代、70代となると体力も落ちてきます。
会社員にとっては毎日の「通勤」もかなり苦痛です。
満員電車にいつまで耐えられるのか???
特に最近は異常気象や事故などで電車の遅延なども多く、これだけでも結構ストレスが溜まり、体力も使います。
自動車通勤だってそうですね。
高齢者の事故が毎日のようにニュースで報道されています。
こう考えると、通勤もけっこうリスクが高いものです。
副業を認める会社も増えてきたようですが、他社へのアルバイトよりも週末起業など自宅でもできることを現役時代から始めることもいいかもしれません。
定年になってからの起業はリスクが高いですが、現役時代であればしっかりした収入もありますので、失敗しても大きな痛手とはなりません。
軌道に乗れば定年もありませんので、身体の調子を見ながら仕事をしていくことができます。(つらい通勤もありませんね。)
それでは、また。
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会CFP(R)、厚労省1級FP技能士)
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